美しくも愚か、残酷で儚い吸血鬼たちの物語。TRUMPシリーズ主要あらすじ&解説

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TRUMPシリーズ あらすじTRUMPシリーズ

TRUMP(トランプ)シリーズとは脚本家・演出家である末満健一氏のオリジナル舞台シリーズです。
2019年には10周年を迎え、非常に人気が高い舞台・ミュージカル作品です。

ハロヲタの皆さんならモーニング娘。’14とスマイレージが出演している「LILIUM 少女純潔歌劇」を観たことある人はけっこう多いんじゃないでしょうか。

LILIUMからTRUMPシリーズが気になっているけど、DVDを買うには敷居が高い…。
という人向けにこの記事ではTRUMPシリーズの主要作品、

  • TRUMP
  • LILIUM
  • SPECTER
  • グランギニョル
  • マリーゴールド
  • COCOON 月の翳り
  • COCOON 星ひとつ

紹介していきます。
なるべくネタバレなしでがんばります!
(ハロヲタ向けにLILIUMを履修済みだと過程して話を進めているところが若干あります)

TRUMPシリーズはいいぞ。
美しくも愚か、残酷で儚い吸血鬼たちの物語です。

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TRUMPシリーズにおける吸血鬼とは?

まずTRUMPシリーズにおける吸血鬼(作中では吸血種、ヴァンプと呼ばれる)は不老不死ではありません
ヴァンプ本人たちも「不老不死なんてそんなのおとぎ話」程度の扱いです。
ですがもちろん人間とは異なり、食事は血液です(家畜用の血が出回っているらしい)。

そしてTRUMPシリーズのヴァンプ最大の特徴が「繭期(まゆき)」です。
繭期は人間でいう思春期と同じようなものですが、人間よりもずっと深刻です。
幻聴、幻覚、妄想、凶暴化、性格の変化、精神的不安定などヴァンプによって症状はさまざまです。

繭期を迎えたヴァンプは教育・矯正、あるいは療養のためにギムナジウム(教育機関)やサナトリウム(療養所)に収容されます。
ここを出たヴァンプは繭期を終えた大人として認められるのです。

人間はヴァンプを知っているのか?

人間はヴァンプの存在をなんとなく知っていますが、詳しくは知りません。
というより詳しく知ることを認められていません。

過去に人間とヴァンプの間で争いが起ったので「不可侵条約」を結んでいます。
ふだんはお互いの社会を脅かさないように生活しています。
なので基本的には人間とヴァンプは会うことがありません。

TRUMP(トランプ)

第一作目です。できれば最初に見ることをおすすめします!
LILIUMを既に見てしまっているハロヲタのみなさんもLILIUMのあとはTRUMPを見よう!

ヴァンプと人間の混血種=ダンピールであるソフィ
ソフィは繭期の吸血種が暮らすギムナジウム<クラン>にいますが、人間との混血として忌み嫌われています。
そんなソフィに接近してきたのが吸血種の中でも名家・デリコ家の生まれであるウル。
ソフィはウルを「ともだちなんかじゃない」と言いつつも一緒にいることを拒みません。

ある日、ウルはソフィにとある秘密の願望を打ち明ける。
しかしあまりにも空想的な話にソフィはウルの話を一蹴する。

ウルがダンピールのソフィと一緒にいることを良しとしない兄・ラファエロ。
ラファエロを敵視する同じく名家・フラ家の出身、純血主義者・アンジェリコ。
突然転入してきてソフィに意味深なことを言って回る臥萬里(ガ・バンリ)の存在。

クランでは血盟祭・クランフェストがまもなく開催される。
クランフェストは若きヴァンプの有能さをはかる品評会。
その中で行われる剣術大会を前に事件が起き、繭期のヴァンプたちは狂気の渦に飲み込まれていく。

ここがやばいよTRUMP

  • 物語の原点。
  • ソフィの存在そのもの。
  • ウルとラファエロの兄弟関係。

なにを言ってもネタバレになるのであまり言えませんが、LILIUMを履修していたら聞き覚えのある名前がちょこちょこ出てきていると思います。
あれってなんだったの?と思う方はぜひ見てください!そして絶望してください!

あらすじはシリアスに書きましたがLILIUMと同じでお笑い要素もあります。

LILIUM 少女純潔歌劇(リリウム)

ハロー!プロジェクトからモーニング娘。’14の一部メンバーとスマイレージのメンバーが出演したTRUMPシリーズ第二作。
最初題名が「ヴァンパイアガール」になりかけたらしい。LILIUMでよかった。

雨降る森の中、吸血種の少女・リリーは同じサナトリウム<クラン>で暮らしているはずの少女・シルベチカを探す。
しかし誰に尋ねても「シルベチカという少女はこのクランにはいない」と言われ、しまいには夢でも見ていたのではと一蹴される。
だがリリーにはシルベチカと話をした記憶が確かにあり、繭期の症状なんかではないと言い張る。

そんな中、シルベチカを知る少女・スノウから声をかけられる。
スノウは物静かでいつもひとりぼっち。なにを考えているのかわからない。リリーだって一度も話したことがなかった。
リリーはシルベチカがどこに行ってしまったのか知りたがるが、スノウはシルベチカを探すのはやめたほうがいいと告げる。

また、ダンピール(混血種)のマリーゴールドがリリーに接近する。
マリーゴールドは「スノウと喋らないで」「あなたを不幸にする」とスノウを忌み嫌う。

リリーはシルベチカを探し続ける。かならず見つけてみせると心の中で誓う。
その果てに辿り着いたものは、このクランの存在自体を揺るがすものだった。

ここがやばいよLILIUM

  • 出演者全員リアル繭期の少女の年齢だったからこそのリアリティ。
  • みんなの歌唱力がやばいよ。
  • あまり衝撃な物語で初演終演後拍手が起こらなかった(驚きと絶望で)。

もう何回見たかわからない名作中の名作。
これをアイドルの出演舞台でやってくれた末満さんすっげ勝負しかけてきたと思う。

ちなみに一年後、短篇として「二輪咲き」上演されました。

SPECTER(スペクター)

第三作目ですね。
ここから男性と女性のキャストが入り混じってきます。

ヴァンパイアハンターの臥萬里(ガ・バンリ)と相棒の石舟はネブラ村で起こる繭期のヴァンプによる殺人事件の調査を依頼される。
村は封鎖的で余所者を入れてはいけない決まりだったが、自分たちでは解決できないと思った青年・カルロがふたりを村に招き入れた。

殺人事件の話を盗み聞きしていた少年・ノームと出会うが、彼は村では萬里たちと同じように余所者扱いされている。
ノームは拾われた子だった。名前をつけられていない。ノームは名無しの意味。
ノームにはかつて村長を務めていた父と、子どもを身籠った臨月の姉がいる。

萬里たちはノームの家で調査の間、身を寄せることになった。
しかしそれを聞きつけた村長代理の女性・ローザは余所者の存在を良しとせず、引き渡すように迫る。

余所者を忌み嫌う態度、特殊な風習、村民に感じる違和感。
しかし殺人事件の手がかりはなかなか見つからず、調査は難航する。

萬里たちは秘めやかな村で殺人事件の犯人を追う。

ここがやばいよSPECTER

  • 人間が初めて主人公になります。
  • 前作、前々作要素が感じられちゃう。
  • 村、ろくなことないのは基本。

話的にすごく好きなんですけどとにかくエグい。
まじで救いがねえ。いやいままで救いなんてあったか?ないっすね、はい。

初演版と再演版があります。(リンクは初演)
再演ではキャストパレードがあります。歌が不穏で不安でけっこう好き。
でもネタバレだと思うのでそんな見ないでください……。

グランギニョル

第四作目です。
すごく好きだけどまじでつらいメンタル消費量半端ない。

吸血種の上級貴族で<血盟議会>の若手議員、ダリ・デリコは停職処分を受ける。
血盟議会の異教徒殲滅作戦の中で保護した人間の女・スーがダリの子どもを身籠ったとの疑惑が出たからだ。

しかし停職中であるはずのダリに上司・ヨハネスから秘密裏に「各地で発生している吸血種の少年少女失踪事件」の調査をするように命じられる。
ダリには下級議員・マルコとヴァンパイアハンター・歌麿と春林らが事件の補佐につけられた。
事件を捜査していく中で、重要参考人としてバルハラという男の名が浮上する。

ダリたちは疑惑の中枢である黒薔薇館という社交倶楽部に潜入する。
貴族の社交場というのは仮の姿。黒薔薇館はとある信仰を持った吸血種と人間種の集まりだ。
しかし黒薔薇館を主催していたのはダリの同僚で同じく上級貴族のゲルハルト・フラだった。

一方、異教徒殲滅事件の残党に命を狙われているスーはデリコ家で匿われていた。
ダリの子どもを身籠ったと噂されているスーに嫌疑の目を向ける使用人たちを諌め、嗅ぎ回る記者を追い返したのは他でもないダリの妻・フリーダだった。

事件を追えば追うほど、自身の所属する血盟議会に疑念を抱くようになる。
事件の真相はダリをグランギニョルへと誘う。

ここがやばいよグランギニョル

  • ダ~~~リちゃーーーん!
  • ダリちゃん……!!
  • ダリちゃん……………………。

もうこれでしかありません。
なにを喋ってもネタバレになってしまいます。ノブレス・オブリージュ。

公式で公開されているキャストパレードがめっちゃカッコいいのでぜひ見てください。
たぶんこれは本編見る前に見てもうーーーん。大丈夫じゃない?!(自己責任でどうぞ)

この作品にはLILIUMでマリーゴールド役を演じていた元アンジュルム(スマイレージ)の田村芽実ちゃんも出演しています。

マリーゴールド

こちらは第五作目。
元宝塚トップスターの壮一帆さんと元ハロプロ・アンジュルムの田村芽実ちゃんダブル主演作。

マリーゴールドに囲まれた屋敷で暮らす小説家・アナベルはペンネームをダリ・デリコといい、吸血種の最深部に迫る小説を書いている。
その作品は吸血種をよく知らない人間にとっては刺激的で、飛ぶように売れている。
しかしアナベルは街の人々から忌み嫌われている。

アナベルには娘がいた。
娘はマリーゴールドに囲まれた屋敷から一歩も外に出たことがない。
母以外を信用しておらず、自分を肯定してくれる母だけを愛し、母に近づくものを忌み嫌う。
名をガーベラという。

アナベルの担当編集であるコリウスはアナベルの危険な魅力に恋い焦がれていた。
アナベルの妹・エリカはガーベラを疎ましく思い、姉と普通に暮らすことを望む。
ガーベラの担当医師であるヘンルーダは孤独な母子を気遣うが、アナベルに冷たく突き放される。

街に出たアナベルはある日、ひとりの少年と出会う。
自身の小説のファンだという彼になぜか不思議と惹かれてしまい、アナベルはつい娘の秘密を喋ってしまう。

またアナベルの書く小説はあまりにも吸血種に詳しすぎる。
「不可侵条約」に違反しているとして公安警察から目をつけられてしまう。

互いに依存し合う母子の行く道に希望はあるのだろうか。

ここがやばいよマリーゴールド

  • みんな歌がうますぎるよ(ミュージカル作品です)。
  • 衝撃が待っている。
  • 会場のすすり泣きを聞いた。

実はマリーゴールドは生で観に行ってまいりました。(ネタバレてんこ盛りです!注意!)
なんたって我らが田村芽実ちゃんが出てるからね!

マリーゴールドも公式でキャストパレードが公開されていますが、ミュージカルなのでネタバレを過分に含んでいるような気がします。ご注意!

COCOON 月の翳り

最新作のうちのひとつ。
ビジュアル見た時びっくりと笑いがでてしまったけど内容は例のごとくとんでもなかった。

ギムナジウム<クラン>。
特急貴族の父を持つラファエロ・デリコは入寮したばかりのクランで旧友のアンジェリコ・フラと再会する。
クランでは中級・下級貴族の不良グループが上級貴族を妬み嫉み、敵対関係が生まれていた。

ラファエロも例外ではなく、クランに入って早々アンジェリコ共々不良グループたちに襲われる。
その窮地を助けてくれたのが同じく上級貴族の
成績優秀で誰にでも別け隔てなく優しいディエゴ、
つねに退屈している退屈嫌いのジュリオ、
目に映るものすべてが希望に見えるエミールだった。

ラファエロはどういうわけかエミールが自分の弟・ウルに見えてしまう認知障害を患う。
これも繭期の症状のひとつだった。

クランには繭期の少年少女が集まる。
しかしそれにしても異常なほど精神不安定な生徒が多い。
また彼らの行動は似通うところがあった。みな誰かを探している。
そしてラファエロの繭期も、症状が酷くなっていく一方だった。

繭期は少年たちに一体なにを見せるのか。

ここがやばいよCOCOON 月の翳り

  • いやもう全部えぐい。
  • 言葉にならない。
  • 最新作だからってこれから見ないでお願いだから。

月の翳りもキャストパレードがいいのですがネタバレでは…ないと……思う……わからんと思う……多分……?(いよいよ自信がない)

COCOON 星ひとつ

最新作のうちのひとつ。
なにを言ってもどんなあらすじを書いてもネタバレになってしまうので言えることはこれだけです。
(あらすじ書くのを放棄したわけじゃないよ! いやまじで!)

ウル・デリコ視点のTRUMPです。完全新作!というわけではないです。
あっ、じゃあTRUMP見た後にすぐ見てもいいよね?って思っちゃうかもしれない。
COCOONは最新作ですが、これまでのシリーズとつながりがとても深いので、ぜひシリーズ全作を見てから見ることをおすすめします。
絶対にこれ単独で見ないでください。後生だから!

ここがやばいよCOCOON 星ひとつ

  • 初見わりとひどいくらい泣いた。
  • ひとに血も涙も流させまくる作家・末満健一。
  • つらくないはずがない。

星ひとつのキャストパレード、まじで見ないでください。見ないでください!

TRUMPシリーズを見て繭期になろう!

シリーズはまだ完結しておりませんので追いつくなら今です!
みんなで同じ夢を見よう。

  • シリーズの途中から見るよりも最初から見るのをおすすめします。
  • LILIUMから見始めた人は一度TRUMPに戻ってからまたLILIUMを見てSPECTER→グランギニョル……と進みましょう。
  • そのほうが身のためです。
  • 見る順番は人生で一度しか選べません。

TRUMPシリーズを見るともれなく繭期になります。
ていうかこの記事書いてる時点で繭期ですよ。繭期は厄介なんだなあ!